サラダ屋が感じたカスタマーサクセスとは

2018/12/22

 

以前noteで公開した内容ですが、こちらでも共有させて頂ければと思います。

休日のちょっとした読み物としてお楽しみ頂ければ幸いです。

 

サラダのデリバリーサービスとカスタマーサクセスという考え方は一見関わりがそこまでないように聞こえます。しかし、今回お客様とのやり取りを通してこれがカスタマーサクセスなのか、と深く腹落ちする事が出来き、一生かけても出会えないかもしれない成功体験を得る事が出来たので、少し書きたいと思います。

 

成功体験のきっかけ

2018年11月21日のお昼頃、キッチンの上に借りている休憩室で仕事をしているといつもお世話になっているお客様から着信があった。「あれ、なんかミスがあったか??」と内心ドキッとしつつ(ネガティヴか!)お電話に出ると、ご担当者から「今度オフィスの大規模な移転があって、社食が出来るので今導入しているプチ社食的な形態は一旦終了になるんです。ただ、スタッフ間では『え〜あれなくなっちゃうの?』『サラダ食べたい!』的な声が出ていて、サラドさんには引き続き新しいオフィスでもサラダを提供して欲しいと思ってるんです〜!あと、一緒に開発してくれたオリジナルサラダの評判も高くて、今後もこういった企画を継続したいと思っていて。」とのこと。

 

正直、嬉しさのあまり言葉が出てこなかった中、捻り出した言葉が「いや〜、めっちゃ嬉しいです。」だった。語彙力が無い。全く無い。全く無いが、これが本心だった。だって、お客様の為になる、お客様との信頼関係を築く、お客様と情緒的な繋がりを持つ、といったことを実現する為に何が出来るかということをクルーと必死になって考えて、取り組んだ結果がこのような形で出る事になるとは。もうシンプルに感無量だった。

 

2年前にサラダのデリバリーサービスを創業してからはお客様に美味しいサラダをしっかりと提供するという事に夢中だった。とにかく、全く知らない分野、経験したことのない分野、ちょっと前まで全く興味がなかった分野に身を投じて、五里霧中状態で素人が手探りで取り組んできていたので、なんの余裕も無かった。基本的なサービスをしっかりと提供するというレベルを達成するのにフルスロットルで挑んでいた。したがって、恥ずかしながら、他のことに気を配る余裕は正直に申し上げて微塵も無かったのだ…

 

挫折と後悔と逡巡

2018年の晩夏だったろうか、お客様とのお付き合いが始まってから1年が経とうとしていた頃から、恥ずかしながら数社からサービスの終了を立て続けに通告されてしまった。僕たちからのサポート、ないしは積極的な提案が出来ていないことは感じていただけに、納得といえば納得の結果で。お客様には申し訳ない気持ちで一杯だった。もっとしっかりと攻めの提案をしておくべきだったと。ただ、後悔先に立たずである…

 

このようなことがあり、比較的呑気な性格の私でも少し焦りを感じ始めていたその頃、少し前から取り組んでいたお客様と共同開発をするレシピの取組みの第二段をしたいと言うお話を頂いた。以前の日記でもご紹介したお客様のニーズや日々感じている課題解決に結びつくオリジナルレシピの開発である。第一段の取組みが非常に好評だったため、二回目も取り組みたいと仰って頂けたのだ。

 

専任の開発部門があるわけではないため、打診を頂いた際には失礼ながらタフな案件を頂いたと思ってしまっていた自分がいた。正直二回目も成功させる自信が無かったのだ。
しかし、この商品開発に携わってくれていたクルーが意外なことに「最近立て続けにお客様が離れていった件が気になっていたので、正直チャンスだと思います。今回のお客様からのご提案の様な事って、お客様との情緒的つながりを築く良い取り組みになるんじゃないでしょうか?」と言う前向きな意見を言ってくれた。

 

 

サラダの種類が増えれば増えるほどキッチンのオペレーションの複雑性が増え、仕込みの時間が増え、朝の盛り付けに掛かる時間も増え、そしてオーダー管理が難しくなり、スタッフの負担は増える。実際に創業当時と比べると現在のオーダー管理と生産管理はものすごい複雑になってきてる。これをシッカリと回してくれているクルー達には頭が上がらない。
こんな背景もあって、キッチンオペレーションの複雑化に対して神経質になっていたことから、このクルーの一言は効いたし、感激した。

 

キッチンのオペレーションを無難に回すために、負担を優先的に気にしていた僕はサービス終了の打診を受けた際の悔しさをほったらかしにしていただけでなく、この時に感じた後悔、を拭い去る折角のチャンスを無駄にするところだったのだ。クルーの前向きな意見には目を覚まされた思いだった。
自分が不安に思っていたオペレーションに関わっている当のクルーが負担を厭わないのであればもっと積極的に取り組む事がその気概に報いるというものだ。不安や後悔を感じることがあるのならば、その原因を解消する動きを取らないといけない。悩んでる場合じゃない。時間の無駄だ。この頃からその感覚が体に宿ってきた。

 

上記クルーの前向きな発言もあって、早速お客様へのヒアリングに向かい、課題やニーズの抽出を行なった。
お客様が日々何に悩んでいるのか、何に困っているのか、何を課題として捉えているのかをお聞き出来るのは非常に貴重な機会だった。そこはまさにネタの宝庫だった。僕らがすべき事というのは全てそこにあったのだ。僕がサラダのデリバリーを始めたきっかけはオフィスワーカーの役に立つためだったのだから。

 

ここでのヒアリングをもとにクルーとの商品開発が始まった。ヒアリングで得たネタをベースに必要なレシピを組み上げていく。概念的なご意見を具体的な食材に落とし込んでいくという緻密な作業だ。この課題はこの食材で。この課題はこの食べ応えで。この課題はこの食感で。この課題はこの見た目で。と言った課題と解決策の組み合わせ作業である。

 

それから一ヶ月、試食会のタイミングがやってきた。自分たちで考え出した食べ物をお客様に目の前で召し上がっていただく際の緊張感は想像を絶する。表情や言動を見ていれば、お気に召したかどうかが直ぐに分かる。美味しさや感動を繕うのは出来ないので本音が出るからだ。
キッチンから持ってきた試食用のサラダをお客様のお手元に並べ、召し上がって頂いた。結果は大好評だった。今までになくお喜び頂き、食べ応え、味、見た目等々一通り及第点を頂けた。

 

 

今回得ることが出来た重要な学び

今回の件で「お客様」と「クルー」の二者から学ばせて頂いたポイントは先を見越した積極的な提案の重要性である。Appleにいた時に何よりも感銘を受けた体験はiPadのローンチだった。その時何に感銘を受けたかと言うと、顧客にアンケートを取り、アンケート結果を緻密に分析し、商品開発をした、、、と言う流れではなく、顧客が認識していない潜在的なニーズを想像してそこに商品を当て込んだと言う点だった。

 

つまり、誰もiPadが必要だなんて当時認識していなかったのだ。顧客たちが気付いていない潜在的なニーズを掘り起こし、「ほらこの持ち運びが出来る、これくらいのサイズで、画面触りながら使える、こんなやつあった方が良いでしょ?」と提案出来たことにスティーブ・ジョブズの価値があるのだと感じたのだ。

 

今回の件で僕はこれを改めて感じさせられた。僕がお客様に提案していかないといけない事はお客様が気づいていないけど、本当はあった方が良いサービスなのである。これを想像して、先回りして用意して、提供することに価値があると考えている。

 

極論を言うと、B2B市場でサラダ屋が美味しいサラダを提供するだけなんて、なんの価値もない事で、それは義務だ。これだけをやっていたのだとしたら自分達の存在価値はない。

 

僕が今やらないといけないと感じているのは「顧客のゴール設定」と「ゴールに到達するのに必要な取り組み」そして「その支援の提供」である。

 

BOXILさんによるとカスタマーサクセスとは「顧客を成功に導くことが目的となるため、アクション起点は顧客ではなくサービス提供側であり能動的です。」と言う事だ。(参照:https://boxil.jp/mag/a4314/#4314-2)B2B市場を主戦場として捉えてるのであれば、オフィスワーカーないし企業にゴールを提案して、そこに導く必要がある。

 

 

まとめ

上記を見据えて福利厚生を投資として捉えてくださいと大見得を切っているのであれば、これを考えないといけません。
つまり、サラダ屋でもカスタマーサクセス的な見地が必要なのだと考えます。
これが、三期目にしてようやくサラダ屋が気付くことが出来たカスタマーサクセスなのであります。
僕にこんな成功体験を下さったお客様、学びをくれたクルーに改めて感謝を申し上げつつ、今後は能動的かつ、意義のある取り組みを持って感謝の意を示していきたいと思います。

 

 

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